- なぜだかわからないけど最近ずっとイライラしている。
- 理由なくイライラしてしまうけど、なんとかしたい。
理由のないイライラは、放っておくと身体に深刻な影響を及ぼしてしまうことがあります。
また、理由のないストレスに対処するためには、ただ、対症療法的にストレスを解消するだけでは十分ではありません。
このページでは、理由のないイライラに対処するために最も大切な考え方について詳しくご紹介していきます。
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理由のないイライラやストレスの原因は?
そもそも、人はなぜイライラしてしまうのでしょうか?以下はイライラする理由を端的に述べた説明を引用したものです。
「いらいらする・怒りっぽい」状態とは、通常、状況や物事が自分の思い通りにいっていない時にこころの中に生じる不快感のことを指します。 いらいらして怒りっぽい人は、何となく気分が落ち着かず、周囲からのちょっとした言葉や音などに過敏に反応して、不機嫌そうな声で返事をしたり、相手を無視したり怒鳴りつけたりします。 ほとんどの場合、人がいらいらしたり、怒りっぽくなったりするのは、何らかのストレスを抱えていて、しかもストレスがなかなか解消しなかったり、自分がそのようなストレスを抱えなければならない理由について納得できなかったりすることが原因です。
—―みんなのメンタルヘルス総合サイト「こんな症状ありませんか?いらいらする・怒りっぽい」より引用
この説明からもわかるように、イライラしたり怒りっぽくなったりするときには、何らかのストレスを抱えていて、解消できていない状態です。
つまり、普段の生活からストレスを感じているからこそ、イライラしてしまうのです。
イライラの原因となるストレス源が特定できていれば、ストレスの原因となる人や物事から距離を置いたり、運動や趣味に打ち込んだりすることで、解消に努めることができます。
一方で、理由なくイライラしてしまう場合はどうでしょうか?
実は、理由のないイライラを抱えている状態というのは、「ストレス源が特定できていない」ということです。
そして、この「ストレス源」を特定できていない状態というのが、実はとても厄介なのです。
というのも、ストレス源が特定できていないということは、日常で無意識にストレス源にさらされているということを意味するからです。
これはつまり、見えないところから心に対して攻撃を受けている状態と変わりません。
理由のないイライラやストレスを感じてしまっているあなたは、敵がわからない中で毎日のように攻撃を受け続けているようなものなのです。
では、このような理由のないイライラを引き起こすストレスにどのように対処していけばいいのでしょうか?次の章で詳しく見ていきましょう!
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一般的なストレス・マネジメントの方法は?
理由のないイライラに対処するために、まずは一般的なストレス・マネジメントの方法を確認しておきましょう。
英語で「理由のないストレス」検索すると、最初にヒットするのは、一人ひとりが自らの力で心の健康を実現することを目指す、英語圏で広く読まれているウェブサイト”HelpGuide”のストレス・マネジメントに関する記事です。
この記事が非常によくまとまっているので、以下に要点を引用してご紹介します。
ストレス・マネジメントのポイント
ポイント①:生活する上でのストレスの原因を特定する
ポイント②:ストレス・マネジメントの4Aを実践する 4Aとは―Acoid(避ける)・Alter(変える)・Adapt(順応する)・Accept(受容する)
=●不必要なストレスを避ける ●状況を改善する●ストレス要因に順応する ●変えられないものごとを受け入れる
ポイント③:体を動かす
ポイント④:他者とつながる
ポイント⑤:娯楽とリラックスの時間を設ける
ポイント⑥:時間とうまく付き合う
ポイント⑦:健康的な生活習慣で心の平静を保つ
ポイント⑧:いざという時にストレスを軽減する方法を身につける
――HelpGuide “Stress Management” より要点を翻訳し引用
このようなストレス・マネジメントに関するまとめを読むと、ストレスをコントロールするための手法や考え方も非常に多岐にわたることがわかります。
③の「体を動かす」や⑤の「娯楽とリラクゼーションの時間を設ける」などは、ストレスに対処しようと考えたときに誰もが思い浮かべるような方法でしょう。
④の「他者とつながる」も、ほとんどの人が「他人にイライラの原因を洗いざらい話すこと」(俗にいう愚痴ですね)がいかにスッキリする行為であるか、体感として知っているはずです。
それにしても、他の手法を差し置いて、最初に「ストレスの原因を特定する」が来るのは、意外な感じがしますね。
でも、私もこれが意外と一番大切なのではないかと思います。(後ほど詳述します)
少し補足しておくと、⑥の「時間とうまく付き合う」は、あれもしようこれもしようと詰め込みすぎると心の余裕をなくすので、自分に求めるレベルを上げすぎず、また、効率的にできるやり方を実践しましょう、というニュアンスで書かれています。
また、⑧の「いざという時のストレス軽減策」は、深呼吸のような簡単にできるものも含まれますが、それだけでなく、それぞれの感性は違うので、大好きな写真を見る・お気に入りの音楽を聴く など、いろいろ試してみて、自分に合った方法を確立しておきましょう、といった内容です。
ここまでが、一般的な内容のストレスへの対処法でした。 ただ、今回は「理由のないイライラ」への対処法なので、この先はもう少しピントを絞っていきたいと思います。
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入ってくるストレスと出ていくストレスを区別しよう
ストレスへの個別具体的な対処法を考える前に、ストレス・マネジメントにおいて、「入ってくる」ストレスと「出ていく」ストレスを分けて考える必要性について触れたいと思います。
体重にしても会社のキャッシュフローにしても、私たちは常に様々なファクターをマネジメントして生活しています。
そして、何かをマネジメントする際に大切な視点のひとつは、in(=入るもの)とout(=出るもの)の両方のバランスを適切にとる必要があるということです。
たとえば、ダイエットの例で考えてみましょう。 少しウォーキングなどの運動を日常に取り入れて糖分や脂肪分を消費しても、その分炭水化物のかたまりであるラーメンや飽和脂肪酸まみれの揚げ物ばかり食べていては、痩せることはできません。
いくらoutを多くしようと思っても、そもそもinが減らなければ効果が薄いのです。そして、それはストレス・マネジメントに関しても同じことが言えます。
ストレスを軽減するためには、十分な睡眠をとったり、適度な運動をしたり、様々な対処法があることが知られています。
しかしながら、いくらストレスを軽減する対策を取り入れたとしても、それ以上にストレスが入ってくるような状況では、イライラを十分に抑えることができません。
つまり、ストレスに対処する上では、ストレスを解消することと同じくらい、ストレス源からのストレス流入を抑える生活を整えることが大切なのです。
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理由のないイライラに対処する最も重要なステップは「ストレス要因を特定すること」
ここまで、ストレス・マネジメントの手法やinとoutの区別の重要性などを確認してきました
続いては、ストレス・マネジメントの一般的な手法を、inとoutで区別してみましょう。
たとえば、③④⑤の「体を動かす」「他者とつながる」「娯楽とリラックスの時間を設ける」は、ストレスを外に出す(=outを促進する)ためのよくある手法です。
一方で、①②の「生活する上でのストレスの原因を特定する」「ストレス・マネジメントの4Aを実践する」は、ストレスが発生するのを抑える(=inを抑制する)ための手法であると言えるでしょう。
そして、②のストレス源を避けたり、それに順応したりする方法は、そもそも①の「ストレス要因の特定」ができていないと効果的に実践することができません。
ストレス要因が特定できていないのにストレス源を断とうとする行為は、たくさんの市民がいる中で殺人犯を倒すためにやみくもに銃をぶっ放すようなものなのです。
運が良ければすぐに犯人にヒットするかもしれませんが、うまくいかなかった場合に、多大な犠牲を払ってしまうことになりかねません。
したがって、ストレスのinを抑えること、すなわち、ストレス発生の抑制 のためには、ストレス源をきちんと特定できることが何よりも重要なのです。
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ストレス源を言葉にできる人はストレスに強い!?
理由のないイライラを抑制するためには、ストレス源を特定することが重要であることがおわかりいただけたと思います。
そして、ストレス要因をきちんと把握して、その影響を抑えるためには、「言語化」が非常に有効です。
自分が何によってストレスを受けているのかを言葉にできると、ストレスが軽減されることが明らかになっています。
この点に関しては、STUDY HACKERという教育サイトでも、以下のようなストレス・マネジメントに関する研究を紹介しています。
先ほどの実験を行なった研究チームによると、感じていることを具体的に言語化することによって、人間の恐怖心や攻撃性を司る脳の部位である「扁桃体」の活性を抑えられるのだそう。 また、『ネガティブな感情が成功を呼ぶ』の著者である心理学者のロバート・ビスワス=ディーナー氏も同様の見解を示しています。同氏は実験で、初対面の被験者同士が相互に拒絶し合うドッジボールのようなゲームを行ないました。実験の結果、ゲーム中に自身(被験者)が感じた感情を表現・識別できる人は、扁桃体の活性を抑えることができていたのだとか。
――STUDY HACKER 「ストレス対策はやっぱり「言語化」が最強だった。“自分のキモチ” を言葉にできますか? 」より引用
つまり、ストレスをコントロールする上では、ストレスの要因を特定し、言語化することで影響を抑制することができるのです。
自分にとってのストレス要因を言語化できているかどうかで、ストレスのinの量は全く違ったものになります。
理由のないイライラに悩んでいる方は、日常生活の中で起こる心の変化に関して自分自身に問いかけてみて、ストレス源を特定し言葉にできるよう意識してみてはいかがでしょうか?
さらに次の章では、私の職場で実際にあった、ストレス源が特定できていなかったことに起因して心の健康を損なってしまった事例をご紹介したいと思います。
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ストレスの原因が特定できずに心が壊れた事例も
理由がなくイライラしてしまう原因のひとつは、自分にとってのストレス要因が特定できていないことにあります。
実は、ストレスが蓄積されているのに、ストレス源を特定しないまま過ごし続けていると、ある日急に心が壊れてしまうという事態に陥りかねません。私の職場でも、残念ながらそのような事件が起こってしまいました。
心を壊してしまったのは、職場の30過ぎの女性の先輩です。私の職場は年齢層が高く、彼女もまだまだ職場ではフレッシュマン(ウーマン?)でした。
私が職場に入って驚いたのは、周りの先輩の彼女に対する当たりの強さでした。
ただ説明したり質問したりしているだけなのに、そんなに強い言葉で詰問する必要あるのか?と思うくらい、強い態度で責められていました。それでも彼女は、一見して全然平気そうな感じの態度をしていました。
彼女とまあまあ仲の良かった私は、飲みに行ったついでに、つい聞いてしまいました。「周りからの〇〇さんへの当たりがきつくないですか?」と。
すると彼女は、キツネにつままれたような反応をしていました。
え、そんなことないよ?そんなことないはずなのに、なんだか妙に引っかかる・・・そんな様子でした。
そうなのです、実は彼女は知らず知らずのうちに心に大きなダメージを受けていたのです。
でも彼女は、自分の心を守るために、全然平気だし先輩のことはすごく好きだと自分に言い聞かせていました。
そして、それをきっかけに彼女は、想像以上に周りの態度から精神的にダメージを負っていたことに気づいてしまったのです。
それから間もなく、彼女から衝撃の告白を受けました。「精神科に通っている」と。
彼女は、気づいたときには自分の力だけでなんとかするのが不可能なほどに、心にダメージを受けていました。
それから間もなく彼女は仕事を休み、ストレス源から遠ざかったことで、次第に心の健康を取り戻していきました。
魂が抜けたような元気のない期間もありましたが、現在はある程度元気にやっているようで、何よりです!
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自分にとってのストレス要因を言語化するために
以上の事例からわかることは、ストレス要因を特定し、自分の心に言葉で気づかせてあげることがいかに重要か、ということです。
そのため、理由なくイライラしていると感じてしまったら、まずは自分にとってのストレス要因が何なのか、日々の生活の中で自問してみることが大切です。
もちろん、この事例のように自らにポジティブな言葉を言い聞かせることで心を守ってしまっている場合もあります。
そのような場合には、友人につらつらと話してみることも有効な方法のひとつです。
人間は、他人に話をすることで自分の考えていることに気づくことができる生き物だからです。だからこそ、カウンセリングが存在するのです。
その他には、自分の心の中身を紙に書きだしてみることも、自分の言語化できていない思いを言語化するための有効な手段です。
私も以前、毎朝30分の時間を設けて、頭の中に浮かんだことをひたすら言葉にし続ける、という作業を継続していたことがあります。(俗に言う、「モーニング・ページ」というアクティビティです。)
言葉を大量に吐き出すようにしていると、今現在の自分のありたい姿や、前進を阻んでいる意外な障壁、はたまた、自分の中で変えたいと思っているのに全然変えられないでいる部分などにの無意識的な部分が、どんどんクリアになっていきます。
以上のように、言語化とはいっても、ただ頭の中でぐるぐると考えをめぐらせるだけが方法ではありません。
他者と話して口を動かしたり、ひたすらノートに書く・PCに打つなどの方法で手を動かしたり、体の様々な感覚を使うことで脳が活性化され、言語化が促進されるのです。
理由のないイライラに悩まされている方は、ぜひ言語化にチャレンジして、早めにストレスの発生を予防していきましょう!!
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