動機やめまい、発汗、吐き気、手足の震えなどの発作があり、日常生活に支障が出てしまう・・・そんな「パニック障害」でお悩みのあなたへ。
●電車に乗りたいけど、発作があって電車に乗れない。
●パニック障害があるけど、克服して電車に乗れるようになりたい。
このページは、上記のようなお悩みを持つ方に向けて書いたものです。
「電車に乗れない」を克服したパニック障害を持つ方の体験談を基に、電車に乗れるようになるためのヒントをご紹介いたします。
パニック障害を持つ人の多くが電車に乗れない
実は、パニック障害を持つ方で、「電車に乗れない」という悩みを持つ方は少なくありません。先に、電車に乗れない原因となる「パニック障害」について、簡単に復習しておきましょう。
パニック障害とは、精神疾患の1つであり、突然理由もなく動悸やめまい、発汗、窒息間、吐き気、手足の震えといった発作(パニック発作と呼びます)を起こし、それが原因で生活に支障が出ている状態のことを指します。
このパニック発作の大きな特徴として、「本当に死んでしまうのではないか」という強烈な恐怖感や不安感がとても強く苦しいため、自分ではコントロールがむずかしいということが挙げられます。
そのため、「また発作が起きたらどうしよう」と不安になり、発作が起きやすい場所に行くことや外出自体を避けるようになってしまいます。
パニック障害を持つ人は、多くの場合、人の目が多く逃げられない空間を避けてしまう傾向を持っています。
特に、エレベーターの中や電車の中などを避けてしまいがちで、酷い場合には外出ができなくなってしまうこともあります。
以上のような理由から、パニック障害を持つ方の多くは、「電車に乗れない」という悩みを抱えています。
以前にパニック症状を経験してしまったことにより、また動機やめまいなどの症状に襲われてしまったらどうしよう、という気持ちから、電車に乗りたくても乗れなくなってしまっているんですね。
経験談から見るパニック障害で電車に乗れなくなるきっかけ
では、パニック障害はどのようにして始まるのでしょうか?ここからは実際にパニック障害になった方の経験談およびその克服方法について見ていきましょう。
この体験談からもわかる通り、パニック障害はこれといった予兆もなく、突然発症することがわかります。100人に2人くらいと、意外とパニック障害になってしまう方は少なくありません。
いつ自分がなってしまってもおかしくないパニック障害・・・実際に症状が出てしまったら、どのように克服していったら良いのでしょうか?次の章で詳しく見ていきましょう。
経験者に聞く!電車に乗れるようになるための対策方法は?
パニック障害の方は電車が苦手な人がほとんどです。ですが、電車に乗れないと様々な生活での支障があります。
私もパニック障害で電車に乗れず苦しい思いを経験してきましたが、現在はほぼパニック障害を克服できています。
そんな、パニック障害を克服してきた経験を基に、電車に乗る際にできる対策方法をまとめました。
- 混んでいる車両を避ける
- 誰かに付き添ってもらう
- ヘルプマークつける
- 頓服薬を持ち歩く
混んでいる車両を避ける
まず、明日からでも実践できる対策方法は、「混んでいる車両を避けること」です。比較的空いている車両を選ぶようにする、と言い換えても良いでしょう。
多くの場合、電車の一番前と一番後ろの車両は空いていることが多いです。ですので、その車両を狙って乗車するようにしましょう。
そして、座れそうな座席があったら座りましょう。自分の席を確保することで、安心感につながります。
誰かに付き添ってもらう
周囲の協力が得られるのであれば、「誰かに付き添ってもらうこと」も電車に安心して乗るための有効な方法です。
私の場合は、毎朝 パニック障害に理解のある友人に付き添ってもらって電車に乗っていました。
そのおかげでパニック発作が起こることはなく1人でも電車に乗れるようになりました。
信頼できる友人と一緒に電車に乗っていると、「何かあっても大丈夫」と思えるので、心強いです。
ヘルプマークをつける
また、周囲の方を意識した対策としては、「ヘルプマークをつける」という対策方法があります。ヘルプマークは、以下のようなもののことを指します。
――Wikipedia「ヘルプマーク」より。
画像のような赤い十字架のマークがついている「ヘルプマーク」を見たことがある方も多いと思います。
このマークは、周りの援助や配慮を必要としていることが見た目では分からない方が、周りへの配慮を知らせるためのマークです。
身体障害者・知的障害者・精神障害者や難病患者等の障害のある人を対象としています。
このマークは自治体や駅の窓口などで無料で受け取ることができます。
ヘルプマークをつけて電車に乗ることのいちばんのメリットは、罪悪感を感じることなく優先席に座ることができることです。
周囲に対して意思表示し、安心感を得るためにも、パニック障害を持つ方はヘルプマークをぜひ活用しましょう!
頓服薬を持ち歩く
すでに病院で診療を受けている方は、「頓服薬を持ち歩くこと」も有効な対策方法です。
頓服薬とは、発作時や体調不良のときに飲む1回分のお薬のことです。
パニック障害では、抗不安薬が投与されることが多く、それを頓服薬として使用している方がとても多いです。
もし、電車に乗っているときに「発作が起こりそう」と思ったら頓服薬を飲むことによりパニック発作を抑えることができます。
抗不安薬は精神科・心療内科で処方してもらうことができますので、パニック発作で困っている方は相談しに行ってみて下さいね。
パニック障害を長期的に克服するためにできること
上でご紹介したのは、パニック障害を持つ方が、電車に乗るためにできる対策方法です。
そして、電車に乗ることだけでなく、最終的には「パニック障害」自体を克服していきたいですよね。
詳しくはお医者さんなど専門家の方がたくさん書いていると思うので、こちらではパニック障害の経験者目線で、長期的にパニック障害を克服するための考え方について簡単にご紹介しておきたいと思います。
薬物療法を「お守り」代わりにする
精神科でもらうお薬に抵抗がある方も多いと思いますが、パニック障害に対しては薬物療法はとても効果的です。
お薬によってパニック発作を落ち着かせることができれば、「電車に乗れない」を克服する大きな手助けとなります。
パニック障害の方にとって、上でもご紹介した「頓服薬」は「お守り」のような存在です。
頓服薬は、「これがあれば大丈夫」と思えるくらい大きな効果が期待されます。
私は当時、「ソラナックス」というお薬をパニック発作の頓服薬として使っていました。
薬が手元にあるのとないのとでは、安心感が全然違います。
精神科や心療内科のお薬に抵抗がある方でも、いざというときのお守りとして、頓服薬を携帯しておくことをおすすめします。
パニック発作への理解を深める
また、パニック発作に対する理解を深めることも、パニック障害を克服するためには重要です。
パニック発作は「死んでしまうのではないか」と思うほどの苦しさ、恐怖感があるため、また起こってしまうことへの不安も、とても大きいものです。
ですが、パニック発作は、おさまってしまえば身体にあらわれていた症状はすっかり消えてなくなります。
パニック発作によって後遺症が残ることもないですし、本当に死んでしまうこともありません。
そのことを理解し、不安が高まってきたら「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせることで不安をコントロールすることができます。
必ず電車に乗れるようになります!
最後にお伝えしておきたいことは、「パニック発作は必ず克服することができる」ということです。
パニック障害についての理解を深め、きちんと対策をし、工夫をして生活することで自然とおさまってくる病気なのです。
なので、今はパニック障害で電車に乗れないという方も、対策をすれば電車に乗ることができるようになります。どうし
ていいかわからなかった方は、ぜひここでご紹介したような克服方法を、ハードルが低い場面から試してみてください。
この記事の経験談が、パニック障害で電車に乗れず苦しんでいる方が前に進むのに少しでも役立ちますように・・・
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